校長日誌

2016年1月の記事一覧

夜明け前 ~ 受験生へのエール

本日は本校の第3回個別相談会でした。

冷たい雨に交じって雪がちらちらと舞う中、朝の早い時間から本校へお越しいただいた皆様方に感謝申し上げます。

 

相談会の冒頭にも述べさせていただきましたが、受験生の皆さんにとっても保護者のみなさまにとっても、今が一番つらい時期だと思います。

志望校がはっきりと決まるまでは、悶々とした時間が続くでしょうし、何よりも近づいてくる高校入試の存在が心に重くのしかかってきていると思います。

 

しかし、明けない夜はありません。

暗い中、進路という川のほとりを、不安な気持ちで歩いている孤独感。

でも今は夜明け前です。

もう少しで朝日が昇り、あたりは次第に明るさを増していきます。

今は暗くて見えないけど、みんなも同じ川のほとりを歩いています。

みなさんは決して独りではありません。

 

さあ、春はすぐそこです。

みなさんが高校生活を迎える場が松伏高校であろうが別の学校であろうが、今頑張っていれば必ずゴールはやってきます。

もちろん、そのゴールを松伏高校にしていただければ私にとっては無上の喜びです。

 

みなさん、不安に負けず、やれることをやっていきましょう。

そしてみなさんが、何より体調を崩さずにいてくれることを祈っています。

エール

いよいよ今日から3年生は学年末考査が始まりました。


3学期の始業式でも話しましたが、今回の試験は事実上の卒業試験にあたります。

準備は万全だったでしょうか。
寒さの中、会議室前の自習スペースで一生懸命勉強していた生徒、職員室前で先生を捕まえて一生懸命に質問をしていた生徒。

みなさんのことですからきっと高校生活での最後の試験を乗り切るべく、早くからテスト勉強を始めてくれたと思います。


今はただ、勉強の成果を存分に発揮して、最高の結果を出してくれることを祈るのみです。


頑張れ3年生。

校長室からエールを送ります。

信頼関係の上に成り立つもの

1月18日(月)は久しぶりの大雪に見舞われ、未明から降り出した雪が路面を覆い、何倍もの時間をかけて登校した人も多かったと思います。

 

この日、本校では朝6時の段階で登校を2時間遅らせる決定を発表しました。

あわせて、安全確保の観点から遅刻や欠席をせざるを得ない合理的な理由があると学校が認めた場合は公欠扱いとすることとしました。

 

一昔前はインターネットやメール等の情報媒体が存在しておらず、学校が事前に登校時間を遅らせるアナウンスを行うことは稀でした。

しかしながら、私は今回の措置が昔と比べて生徒に対して過保護過ぎるとは思っていません。

 

学校は様々な教育活動を行う場所ですが、全ては生徒の安全が確保できる前提で成り立つものだからです。

むしろ私は、状況に応じて自分の安全を自分で確保しながら登校するということは、昔以上に一人ひとりが高い倫理観と強い正義感に基づいた高度な判断力を求められることだと考えています。これは社会がみなさんに求める能力でもあります。

今回、大切な授業を2時間もカットするという措置は、学校がみなさんを信頼し、既に自分の正義に従って判断する力が身についていると信じたからこそ行えたのです。

 

 

今回、LINEを通じて「学校を休んでも欠席にならない」というデマが流布され、登校できるにも関わらず学校を欠席した者がいたと聞いています。

「どうしても登校できない事情があれば」の部分をバッサリ切り捨て、自分に都合の良い情報に飛びついた結果であれば非常に残念なことです。

 

現代はいろいろな情報が簡単に手に入る反面、誤った情報も多く流通しています。

倫理観や正義感を置き去りにし、自分に都合の良い情報だけをもとに利己的な行動に走り出したとき、信頼関係は崩れ、その上に成り立っていたものが瓦解し始めるのだと思います。

 

この雪は我々に、信頼関係の上に成り立つものの重みを問いかけているのだと思います。

3学期が始まりました

みなさん、明けましておめでとうございます。
保護者の皆さま方をはじめ、地域の皆さま方には昨年度は松伏高校の生徒ともども大変お世話になりました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

さて、本日からいよいよ第3学期が始まりました。
つい先ほど始業式を終えたところですが、おかげさまで冬休み中に大きな事故もなく、生徒たちは元気な顔を見せてくれました。

私からは締めくくりの学期を迎えるに当たり、次の内容で講話を行いました。
職員一同、これからも力を合わせて生徒たちの成長の手助けができるように頑張ってまいりますので、昨年と変わらぬ御理解、御協力をいただければ幸いです。



~~~(校長講話より)~~~

おはようございます。

冬休み中に特に大きな事故もなく、無事に3学期の始業式を迎えられたことを嬉しく思います。


さて、今年度も残すところ3カ月となりました。1年間を1日に例えれば、今はちょうど「夕方の6時30分」になったところです。

3年生の卒業式は3月11日(金)に実施しますが、これは先ほどの例でいえば「夜の10時40分」にあたります。

卒業のためには学年末考査を乗り切り、単位を修得する必要がありますが、学年末考査は1月26日(火)からですが、時間に例えれば「夜の7時40分」から始まることになります。

3年生にすれば、今から数えると約1時間後には卒業できるかどうかを決めるテストが始まってしまいます。それほど時間は残されていませんが、とにかく無事に卒業証書を手に出来るように、明日から一生懸命に準備を始めてもらいたいと思います。


さて、ここから先は全ての学年が対象の話になります。3つのことを話します。


先ず1つ目です。既に新聞・テレビ等で大きく取り上げられていたので、今年の6月19日以降に行われる選挙に関しては、国政選挙、地方選挙に関わらず選挙権年齢が18歳に引き下げられることとなります。

今年の夏には参議院選挙が行われますが、これは18歳の人が選挙権を有するようになっての最初の国政選挙となります。

このような中、国では18歳で選挙権を持つことになる高校生に対して、有権者として必要とされる知識や力を身に付けてもらうために、全ての高等学校において主権者教育を行うこととしています。

松伏高校でも、さっそく今年から主権者教育を行っていきますので、是非とも生徒諸君には正しい理解を深めていただき、自分なりの考えや意見をきちんと持てるようになっていってもらいたいと思います。


続いて2つ目です。諸君たちへのお礼とお願いを述べさせてもらいます。

緊急時の連絡手段として、12月から携帯電話等の持ち込みを試行的に認めました。

松伏高校は開校以来34年間、携帯電話を持ち込むことは授業に支障が出ると考えて一切認めていませんでした。

35年目の今年、生徒諸君のマナーの良さ、事の良し悪しをきちんと判断できる能力の高さから見て、「校内では電源を切り、自己責任でロッカーに保管する」というルールは十分に守れるはずであると判断しました。

また、校外においても公共マナーを十分に理解し、歩きながら、自転車に乗りながら、電車やバスに乗りながらの、いわゆる「ながらスマホ」をする生徒はいないと確信しています。

ここまでのところ、違反する者はほとんどおりません。ましてや、故意にルールを破る者は皆無です。さすがは松伏高校生です。先生方の思いをきちんと理解してくれたことに感謝すると同時に、ここからがお願いになります。

生徒諸君、是非ともこのルールを試行で終わらせるのではなく4月から正式に導入し、今の自分たちのためだけではなく、将来の松伏高校生のために、安心して登下校できる環境を作ってあげようではありませんか。

将来の世代に、「この学校が携帯電話やスマホを持ち込めるようになったのは、33期生、34期生、35期生がきちんとしてくれたおかげだ。」と言われるように、3月まで頑張りましょう。


最後です。

12月に学校生活のアンケートを行いました。私もみなさんが回答してくれたものを読んでみました。

その中で、いじめを目撃した、あるいは自分がいじめを受けたことがあるとの回答がいくつか見受けられました。

内容は、言葉による直接的なものや、ケータイやネットを使った誹謗中傷、あるいは集団での無視や仲間外れが多いことが分かりました。

私はこの行為を許しません。もしもこの行為をする者がいたならば、厳しく指導したいと思います。

何故ならば、もしも私がそのようなことをされたら非常につらい思いを受けるし、気持ちが沈んでしまうからです。だから私も絶対に人に対してそのようなことはしないように心掛けています。これは相手が大人であっても子供であっても、教員であっても生徒であっても同じです。

このような行為をしている人に、私は問いたいと思います。楽しいですか。人を仲間外れにし、その人が苦しんだり悲しんだりする姿を見ていると、得も言われぬ楽しさが味わえるのでしょうか。

さらに続けて問います。これは人として許される行為でしょうか。

もしも故意にそのような言動を行っている人がいるなら、即刻その行為は止めていただきたい。

無意識に、行っていた人がいたなら、自分の過去を振り返り、軽い悪ふざけが相手にとってどれほど重い苦しみになっていたかを想像していただきたい。

そして、もしもこの中に今でもつらい思いを受けている人がいるならば、どうぞ遠慮せずに先生方に相談してください。学校は持てる力の全てを注いで解決していく覚悟があります。

生徒諸君、みなさんの力で松伏高校をフェアな学校にしようではありませんか。

どの生徒も、人が見ていようがいまいが、人に対してのやましい言動は一切放棄し、正義でいくのだという学校にしようではありませんか。

皆さんにはその力があると信じます。


大変長くなりました。では、3学期の皆さんの健闘を願っています。