校長日誌

2016年3月の記事一覧

未来を変える力

今日は平成27年度の修了式を行いました。
この一年間は生徒諸君にとってどのような年だったでしょうか。
私は今後さらに諸君に大きな成長を遂げていただきたいと思い、修了式において講話を行いました。
改めてここに記したいと思います。

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4月からは2年生はいよいよ最上級生になり、卒業後の進路を決めるための日々が続くことになります。

一方で、1年生も後輩を迎え、中堅学年として勉強、行事、部活動や生徒会活動等で学校全体を牽引していくことが求められます。

 

 

先日卒業した3年生のある生徒が私に語ったことですが、後輩たちには2年生の内から進路のことを意識して早めに勉強に取り組む方が良いと伝えて欲しいとのことでした。

選考試験に向けて必死に勉強し、時が矢のように過ぎ去ることを学んだ者にしか言えない重みのあるアドバイスです。

我々はこのアドバイスの真意を受け止め、社会に出る日を意識して毎日を過ごさねばなりません。

そして皆さんには、今回の進級を機に「未来を変える力」を手にし、自分の将来を切り開いていく生き方をしていただきたいと考えます。

 

 

本日はこの機会に、私の思うところを述べたいと思います。

 

 

挑戦か妥協か。ポジティブかネガティブか。

 

決断を迫られる瞬間は多いが、人生はネガティブな誘惑に満ちています。

 

「無理に決まっている。」「できるはずがない。」「どうせ失敗するのだったら、何もしないでいた方が傷つかずに済む。」

私たちに挑戦することをためらわせる言葉はどこにでも転がっています。

 

ネガティブな考えの持ち主にとって、未来とはただ予測する対象に過ぎませんが、ポジティブに生きようとする者にとっては、未来は「作り出す」ものであり、「変える」ものであります。

 

「私は、失敗は受け入れることはできる。だが、挑戦しないことを受け入れることはどうしてもできない。」

 

これは米国のNBAのシカゴ・ブルズ、ワシントン・ウィザーズでプレーし、その実績からバスケットボールの神様とも評されたマイケル・ジョーダンの言葉です。

挑戦する勇気を与えてくれる言葉として、今日は是非、私から皆さんに贈りたいと思います。

 

時として困難への挑戦に対して、冷ややかに批判的な眼差しを向け、後ろ向きの評論をする人がいるかもしれません。

だが、「行動は俺のもの。評論は人のもの。」です。

 

他人の目を気にする必要などありません。何故なら、他人が自分の未来を切り開いてくれることなど決してないからです。

 

もう一つ、別の思いを述べます。

 

 

正直か嘘か。誠実か不誠実か。

 

皆さんがどちらを選択しようとも、皆さんの心の中を誰も見ることができません。

 

「今日はやる気が出ないから、授業を聞いている振りをしよう。」「みんなだって同じだから、多少のルール違反くらいなら仕方ない。」「形だけやって提出しておこう。」

このように心の中でつぶやく言葉は、誰にも聞かれることはありません。

 

1月18日(月)、我々は大雪に見舞われ、登校を2時間遅らせる決定を行いました。

昼過ぎには公共交通機関も正常に動き出し、十分に登校できる状況となりました。

しかしながら、今日は学校を休んでも欠席扱いにならないとのデマが流布され、易きに流れ、登校できたにもかかわらず学校を欠席した者もありました。

 

この日の交通事情や降雪状況は人それぞれでしたが、実際のところは本人にしか分からないことです。

 

誰も見ていないときに、人は自分の心の正直さを裏切るものです。

 

他校での話になりますが、さいたま市内のとある市立高校では、せんげん台から6時間かけて歩いて登校した女子生徒がいたと聞きます。

易きに流れた者、6時間を歩いた者。

両者はいずれも記録上は「出席1日」ですが、数字の裏にある重みは比較になりません。

どちらの人物が信頼に足るかを問えば、万人が6時間を歩いた者をあげることでしょう。

 

信頼は財産であります。

信頼される人の周りには自然と多くの人が集まり、力を貸し励ましてくれます。

そして、信頼の源泉は正直さに他なりません。

 

 

挑戦する勇気と正直さ。そしてこれらを土台にしての努力。

これが今日お伝えしたかった「未来を変える力」です。

 

 

みなさん、新年度から未来への挑戦を始めようではありませんか。

そして、今はまだ勇気を持てずにためらっているもう一人の自分に、未来は予測するものではなく作り出せるものだということを証明してみせようではありませんか。

 

挑戦しない者に、「次」や「来年」を語る資格はありません。

今日がその出発点となることを願って、修了式の講話とさせていただきます。