2017年3月の記事一覧
卒業おめでとう!!
本日はとても感動する卒業式でした。
校長としてあらためて諸君の人間性の素晴らしさを感じさせられました。
松伏高校で身に着けた様々なことを生かして、今後さらに活躍してくれることを願っています。
式の中で皆さんに贈った言葉を書き残しておきます。
~~~~~~~(校長式辞 骨子)~~~~~~~~
ただいま卒業証書を授与いたしました230名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。教職員一同、皆さんの卒業を心より祝福いたします。
また御列席の保護者の皆さまには、お子様が立派に成長し、本校を卒業されますことを心よりお喜び申し上げます。
晴れの卒業にあたり、私から一言、お祝いの言葉を述べさせていただきます。
CHANGE(チェインジ)
2009年。
卒業生の諸君がまだ小学生だった8年前、この言葉をスローガンに大統領選を戦ったバラク・オバマは、黒人として初めてアメリカ合衆国大統領に就任しました。
彼は、変革は誰かが与えてくれるものではなく、一人一人が自らの意志で挑戦し、成し遂げることであると訴えました。
人には様々な生き方があります。
変化を嫌い、「昨日と同じ様な今日であってほしい。」、「今日と同じ明日が来てほしい。」と願う生き方。
一方、未来を今日よりも素晴らしいものにしようと願い、挑戦し続ける生き方。
あるいは自己の保身と安定だけを人生における価値の指標とする生き方。
それとは逆に、人生を自分の為だけではなく、自分以外の誰かの幸せの為にも捧げていこうとする生き方。
どれもがみな人生であります。
しかし、今や十分に成熟し、大人としての考え方を身に着けた諸君には、どのような生き方を選択すれば、私たちの子や孫といった、「未来を生きる人々が幸せに過ごせる社会」を残せるのかは、もはや自明のことと思われます。
今、世界では8000万人近くの人々が全く教育を受けられない環境で生活をしています。
70億人以上の人々が暮らす世界の中で、諸君と同程度の教育を受けられる人は、ほんの一握りにすぎません。
その意味において、諸君は間違いなくエリートであります。
ここで諸君に是非考えてもらいたいことがあります。
エリートが失敗を恐れ、挑戦をためらっていたら、一体誰が、社会をより良い方向へと変えていくのでしょうか。
諸君が自分の成功だけを考えていたら、一体誰が、未来を生きる世代が安心して暮らせる社会を残せるのでしょうか。
だからこそ、諸君、心の窓を開け、自分の内側だけに向けていた視野を、社会へ、世界へと拡げていこうではありませんか。
失敗を恐れず、今こそ挑戦を始めようではありませんか。
そして、自分の為だけではなく、仲間や、未来を生きる世代の幸せを、共に考え合う社会へと変革していこうではありませんか。
「変革」への挑戦にはいつも「批判」と「評論」がつきまといます。
しかし気にする必要はありません。
挑戦者は「変革」という特権を手に出来ますが、失敗を恐れ、何も挑戦をしない人が手に出来るのは、「不平」と「不満」と「批判」だけなのです。
既に諸君はこの3年間で、変革への挑戦に必要な様々なことを学びました。
授業を通じて、挑戦を成功させるための知識と知恵を学びました。
部活動や行事を通じて、強靭な体力と精神力を学びました。
あるいは、舞台そでに置かれたピアノのエボニーとアイボリー。
キーボードに仲良く並んだ黒鍵と白鍵。
色も形も違うもの同士が調和して、完璧なハーモニーを生み出す。
人もまたそうなれることを、仲間との共同生活の中から学びました。
もはや必要な物は全て用意されています。
残るは諸君の「決意」のみです。
CHANGE(チェインジ)
決意があれば、志は変えられる。
生き方は変えられる。
未来は変えられる。
必ず変えられる。
今、諸君の前には大きな河が横たわっています。
河の向こう岸には実社会が広がっています。
そこは、例え失敗しても、何度でも再チャレンジができる希望の大地です。
CROSS THE RUBICON(クロス ザ ルビコン)
賽は投げられたのです。
今こそ諸君が手に入れた知識と知恵、仲間と築き上げた助け合いのネットワークを手にして、失敗を恐れず、決してひるまず、230名の仲間と共に、諸君の目の前に横たわるルビコン川を越えていこうではありませんか。
保護者の皆さま方、私たちは本日、頼もしく成長したお子様たちを皆さまのもとへお返しいたします。
卒業後の進路はさまざまですが、子どもたち一人ひとりが、これからの日本の未来を切り開いていく大切な人材として活躍してくれると確信しております。
結びに、未来に飛び立つ卒業生の前途が幸多きことを祈念して、私の式辞といたします。
平成二十九年三月十三日
埼玉県立松伏高等学校長 坂上 節