校長日誌

2021年12月の記事一覧

今年を振り返り

 今年を振り返りますと、やはり新型コロナウイルス感染症の影響に振り回された1年だったという印象が強く残っています。昨年の4月から6月までの学校休業のような事態はありませんでしたが、9月には分散登校もあり、生徒の皆さんにとって学校に登校して学ぶ機会が失われたことはとても残念でした。

 そのような中でも生徒の皆さんはひたむきに学校生活に取り組み、3年生のほとんどは進路実現を果たしてくれました。また、4月から「考えること、工夫すること」を繰り返し話してきた中で、松華祭などの学校行事を作り上げてくれたことはとても感動しました。部活動でも活動の制限がある中で、吹奏楽部の西関東大会出場をはじめとする活動の成果が表れ、先生方の熱意と生徒の皆さんの活動に向けた強い思いを感じることができました。

 さらに、4月に本校施設内に開校した越谷西特別支援学校松伏分校との共同学習の機会をたくさん持てたことは、これからの本校と分校の教育活動をさらに充実させていく土台を築けたのではないかと喜んでいます。授業や学校行事での協働の機会は、互いの生徒や教員の理解を深め、真の共生社会に向けた学びの機会が広がっていくことを期待したいと思っています。

 本校の教育活動は落ちついた雰囲気の中で、明るく素直な生徒と熱意ある先生方の日々の積み重ねで進められています。本校の教育活動は、保護者の方々やPTA・後援会の御理解と御協力に支えられ、松伏町をはじめとした地域の方々の御支援によって成り立っています。

 本年は関係する皆様のお力添えで、本校の教育活動を進めてくることができました。ありがとうございました。来年も皆様の温かい御支援をいただきますようお願いいたします。

第2学期終業式にて

 12月24日(金)、第2学期の終業式を行いました。新型コロナウイルス感染症の関係で、残念ではありますがオンライン形式での式となりました。

 式辞として、分散登校から始まった2学期の学校生活では、いろいろな制限を受けることが多い中でも、考えて、工夫することにより、今までにない新しい企画や運営方法を生み出すことができたことの素晴らしさを称えました。また、1、2年生から積み重ねた努力の成果を発揮し、希望する進路を自身の手で勝ち取った3年生を称えました。そして、締めくくりの3学期への期待を込めた言葉を送りました。

 生徒指導担当からは、交通安全及び交通マナーの遵守、生活習慣の維持と健康管理などについての注意がありました。

 3学期は、新たな変異株の感染の影響が心配されますが、今年度締めくくりの学期として、出来る限り教育活動を維持しながら進めていきたいと考えています。

様々な学習の機会

 12月21日(火)、本校が昨年度から事業の委嘱を受けている「彩の国の道徳」研究推進事業に関する行事として、デフサッカー日本代表の松元卓巳選手をお招きし、生まれながら聴覚障害のあるご自身の経験に基づいた講演をしていただきました。印象に残ったのは、「私は聞くことが苦手であるが、誰にでも苦手なものはあるはず。苦手なものもその人の個性と捉え、前を向いて人生を歩んでほしい」という話でした。力強く自信をもってお話しされている姿を拝見していて、その言葉の重みを強く感じました。また、松元選手の親しみやすい人柄もあって、生徒からは様々な質問が出るなど、とても有意義な講演会となりました。松元選手ありがとうございました。

 また同日に、本校生徒や職員の有志が、全校生徒に向けて自身の考えを主張する「MSP」(まつぶし・スーパー・プレゼンテーション)が行われました。動画やパワーポイント等を用いての主張はプレゼンターのこだわりや強い思いがこめられ、中にはコスプレをしたり、ダンスを踊ったりとたいへん個性的なものもありました。このMSPは、様々な考えや個性を持った生徒の主張を受け止め、現在の社会で求められている多様性を認め合うことを目的として、10年以上前に始められたものです。プレゼンテーションの後には大きな拍手があり、互いを尊重する姿勢が感じられました。

 さらに、12月23日(木)には防災学習を行いました。国内外で発生している大きな災害の現状を踏まえ、災害から身を守ることや災害時にどのように行動する必要があるのかを学ぶ、重要な学習機会となります。学校での避難訓練や防災学習を通じて、実際に災害に遭遇した場合に自身で判断できる力を身につけてもらいたいと考えています。

 来年4月から成年年齢が18歳に引き下げられることもあり、高校生活の中で成年年齢をむかえる時代へと変わります。成年としての自覚を持ち、社会で貢献できる力を身につけられるよう、授業や部活動とともに、様々な学習の機会を通じて、生徒の成長につなげていきたいと考えています。

松伏分校のパン販売

 越谷西特別支援学校松伏分校の生徒は、卒業後の就労を目的に、学習活動とともに職業体験に取り組んでいます。

 その中で、食品加工を学ぶ生徒がつくった「パン」が本校生徒や教職員に販売されます。続々と新製品に取り組み、今回の販売でも新発売のパンが並びました。とてもおいしく、大人気です。ちなみに、販売価格は1個50円。分校の生徒たちが頑張ってつくったパンを購入できる松伏高校の生徒と教職員は幸せです。

クリスマス企画

 年末を迎え、クリスマスやお正月などの大きなイベントが重なり、賑わう時期でもありますが、昨年に引き続き、例年とは異なる状況となりました。感染予防への意識の高さを感じています。

 そのような中でも、本校生徒会のアイデアで、少しでも学校生活を明るく楽しくしようとする取り組みが進められています。「クリスマス企画」は越谷西特別支援学校松伏分校の生徒とコラボレーションし、生徒玄関や生徒の往来の多い場所に、使わなくなったクリスマスツリーを飾り、クリスマスムードを高める演出がされています。

松高新聞スタート

 「松伏高校のことをもっともっと知っていただきたい」という気持ちが高まり、不定期ではありますが『松高新聞』をつくることにしました。様々な角度から松伏高校の魅力を少しでもお伝えできればと考えております。ぜひご一読いただき、地元に愛される町唯一の高校である松伏高校がどんな魅力を持った学校なのかを知っていただけらば幸いです。

 松高新聞第1号はこちら ➡ R3松高新聞 第1号.pdf

職業別講習会(1年生)と集団討論(2年生)

 12月2日(木)の午後の時間を利用して、1年生では「職業別講習会」を行いました。卒業後の進路を考える活動は入学後からスタートしていますが、コロナ禍であったこともあり、外部の専門講師の方々をお招きして学習する機会がなかなか実現できませんでした。今回の講習会で生徒一人一人が興味・関心のある分野を選び、専門の講師の方から説明を受けたり、簡単な実習を行ったりと貴重な体験となりました。2年後の進路を考えるよい機会となりました。

 また、2年生では「SNSの利用について」をテーマに4~6名程度のグループでの集団討論が行われました。プライバシーの保護についてやSNSを悪用した犯罪についてなど、問題点や対策などを話し合う姿が見られました。コロナ禍ではグループ学習にも制限がありましたので、生徒一人一人が自分の考えを様々な方法で表現し、他者の意見を踏まえて考えを深めていくことはとても重要な学習活動であると思います。ぜひ、今後も継続してほしいと思います。